一般概要

全国的な大雨により、1週間以上建設を中断したため9月の建設作業はなかなか進行しませんでした。また、洪水により交通状況が悪化し道路が寸断されたため、1ヵ月以上車両がトゥムレーン村に入ることができませんでした。その結果、当初予定していた日程通りにモニタリング調査を行なうことができませんでした。

2012年12月7日、スタッフは教員、生徒たち及び地域住民たちを対象とした「トイレのワークショップ」を実施しました。総勢104名が参加しました。このワークショップは、トイレを利用することによる衛生上のメリットや、新しいトイレシステム及び各個室に用意されているトイレ用具の管理方法について説明を行い、意識向上を図りました。

また、地元の韓国系NGO団体の支援により、既存校舎の壁がより魅力的にするためにと塗り替えられました。2012-2013年度には、待望の就学前教育のクラスが開設されることとなりました。これまでは教室数の不足により運営できませんでしたが、新校舎建設に伴い開設することが可能となりました。

新校舎建設活動

雨季による道路状況悪化のため様々な困難がありましたが、2012年9月24日に校舎とトイレ建設およびプラスティック製貯水タンクと教室備品の設置は、予定通りに全ての作業は終了しました。建設終了後、SVAは学校関係者と学校支援委員会とともに約1ヶ月間かけて建設現場の最終確認を行ないます。そして、全員一致で建設作業が適切に行なわれたことに合意し、はじめて建設工事が完了したとみなします。

新校舎

生徒用の机と椅子1教室20セット（1セット2人用）、教員の机と椅子、黒板そして教壇が各教室に設置されました。座席の配置は、教員の助けを借りながら生徒たちによって行なわれました。

建設現場の最終確認後、2012年10月1日の始業式に合わせて学校の授業を行なう必要があったため、新校舎を使用し始めました。その際、就学前教育と小学校の3クラスが新校舎を使用し、授業が行われました。教員と生徒たちは、新しく心地よい校舎にとても満足しています。

生徒たちが教室に親しみを持てるように、教員と生徒が一緒になって教室の装飾を行ないました。学校予算で装飾の材料を購入し、新たに学校予算を受け取った後はさらに絵やポスター、人工花などの装飾用備品を購入する予定です。

トイレ建設

建設されたトイレは、簡素で下水のための特別な設計がされており、学校側が、故障等トイレの問題に対し適切な処置を施し維持管理を行っていけば、長期間使用可能です。また、雨水は自動的にそれぞれトイレの個室にある水がめに溜まるようになっています。具体的には、雨水が教室やトイレの屋根の樋を伝って貯水タンクに溜まり、そこから各個室にある水がめに流れこむという仕組みになっています。特に乾季の貯水タンクに水量がない場合は、生徒たちが近隣のため池などの水源から水を汲み、トイレの水がめに補給する作業が欠かせなくなっています。

ほとんどの生徒たちは自宅にトイレがありません。そのため、校長は生徒たちがきちんとトイレを使用できるかを懸念しています。そこで、この問題を真摯に受け止め他の教員とともにトイレ管理を強化する予定です。

プラスティック製貯水タンク

校舎建設申請時には、井戸の建設を予定していましたが、調査を進めるにあたり、乾季になると地下の水源が不安定で一定の水量確保が難しいとの判断により、学校側との話し合いの結果、井戸からプラスティック製貯水タンクへ建設工事の内容を変更することにしました。3㎥の貯水タンクの構造はとてもシンプルで使いやすく、雨季にはとても役立ちます。貯水タンクの具体的な構造は、新校舎の屋根の樋を通じて雨水をタンクに貯水し、タンク横にある蛇口をひねると、水道管を通して各個室にある水がめに雨水が供給される仕組みになっています。

生徒たちの声

【トゥム・レーン小学校　写真報告】