学校では、小学校6クラスと就学前教育1クラスが行われています。2‐5年生は、午前中に授業が行われています。一方で、就学前教育のクラスと、1年生および6年生のクラスは、シフトの変更により、午前もしくは午後に授業が行われます。6年生の担任は図書館員を兼任しており、そのため学校は6年生を図書室のある旧校舎の犬走り を使って勉強させることを決めました。そのため担任は授業と図書館の両方を運営することが可能となっています。
就学前教育のクラスと1年生のクラスは、午前と午後のシフトを毎週変更しています。それにより、世界食糧計画(WFP)が実施している朝食プログラムの恩恵を受けることができます。小さい子どもたちは、学校で朝食が提供されることにより、学校への通学に意欲的になります。
生徒数に関して、竣工報告書では学校訪問を行った2011年10月5日には、就学前教育のクラスは実施されていませんでした。2011年‐2012年度の生徒数は、199人(就学前教育に通う27人を含む)で、前年度の総生徒数216人と比較して、7.87%減少しています。生徒数の減少は、6年生の中学校への進学者数(小学校卒業者数)と2010‐2011年度の退学者数の合計76人は、今年度の入学者数(小学校1年生27人)を上回るため、全体として生徒数は減少しています。
一方で、2011-2012年度の学校統計では内部効率に顕著な改善が見られます。退学率は4.96%減少しています。留年率は0.6%上昇し、進学率は4.38%上昇し、いずれも改善が見られます。
新校舎では、小学校の3クラスと就学前教育1クラスが運営されています。生徒全体の59.3%にあたる102人の生徒たちが新校舎を使用しています。教室は、学校予算を活用し、教員と生徒たちが協力をし、飾り付けを行っています。生徒たちは、掃除当番表に基づき、授業前に教室を掃除しています。なお、掃除道具であるほうきやチリトリ、ゴミ箱などは各教室に設置されています。
トイレは、生徒および教員たち全員が使用しています。ポンプ式井戸、もしくはプラスチック製の貯水タンクの水を、トイレ用として使っています。生徒たちが、トイレを掃除し、トイレの水がめに水をはる仕事を任されています。トイレのそれぞれの個室には、掃除道具が用意されています。それに加えて、各トイレの扉にトイレの使用法についての注意書き(写真左)が張られており、生徒たちにきれいに使うよう注意を喚起しています。
ポンプ式井戸:生徒たちは水をトイレ用として使用したり、校庭内の木々への水やりや、時折水浴びのために使用しています。ポンプの頭部は、使用頻度が高いために部品が消耗し、3-4ヶ月で修理が必要となります。頭部の故障は、質の問題ではなく、使用頻度が高いことによる摩耗が原因であると考えられます。なお、故障した際には、毎回学校側で修理を行っています。
私は、ソケン・リサ(SOKEN Lisa)11歳、5年生で勉強しています。私の両親は農業を営んでいます。両親は米作りや、その他農業に関する仕事などで生計を立てています。私には弟が1人いて、同じ学校の2年生で勉強しています。
私のお父さんは、教育にとても熱心です。どんなに困難な状況でも、私を高校に通わせてくれるでしょう。よい教育を受けないと、明るい未来はありません。
私も、高校まで進学して勉強がしたいです。でも、将来何になりたいかは、まだ決めていません。私は来年6年生になるので、新校舎で勉強することはできないかもしれないけれど(現6年生は新校舎の渡り廊下を使って勉強)がっかりはしていません。新しい校舎ができて、うれしい気持ちでいっぱいです。これからこの学校で勉強をする子どもたちが、新校舎で思いっきり勉強ができるといいなと思います。
最後に、あたたかいご支援をいただき、本当にありがとうございます。皆様の幸せとご健康をお祈りしています。
ぼくは、ヴァス・ノット(VATH Not)、 14歳で5年生で勉強しています。お父さんは死んでしまったので、お母さんが農業をし、カンボジアの伝統的な麺を売り歩き、生計を立てています。
ぼくは生まれつき、腕や足を自由に動かすことができません。でも、自分1人で、歩いたり、自転車に乗ることはできます。
腕などに障がいはありますが、ぼくは色々なことができます。家の手伝いもして、お母さんの役に立ちたいです。お母さんのために食事の準備をしたり、家畜の世話をしたり、農業のお手伝いをしたりします。学校では、教室の掃除や、トイレの水がめに水を入れたり、先生に依頼をされた仕事をしています。
お母さんもぼくも、新しい校舎ができ、とてもよろこんでいます。これからも勉強を頑張ります。
学校校舎と教室備品、およびポンプ式井戸は良好な状態で、有効活用されています。新校舎支援により、書類やデータや資料を安全な場所で管理することができるようになりました。教員や生徒たちは、掃除を積極的に行い、維持管理に努めています。村人たちもとても喜んでおり、就学年齢に達した子どもたちを学校に通わせるよう働きかけています。
2011-2012年度の総生徒数は、昨年と比較し若干減少しています。生徒数の減少に関しては、自然的な生徒数の増減によるものです。一方、生徒たちの学業成績などの内部効率について、特に進級率は大きく改善されています。
チュラ・マ小学校