ミャンマー連邦共和国バゴー地域ピー県ピー郡
ミャレイヨン寺院小学校校舎建設


竣工報告書

事業実施対象地の概況

ミャレイヨン寺院小学校のあるピー郡はヤンゴンの北西約300kmに位置します。ミャレイヨン寺院は地域に根差す寺院として、昔から近隣住民にとって精神的支柱となる重要な存在であり、地元の寄進者が多くいます。

1995年にウトゥマナ僧侶によって設立されたミャレイヨン寺院小学校には当初87名の生徒が在学していました。

2010年には中学校を併設し、ピーにある寺院学校の中ではマンモス校の一つとして多くの生徒を受け入れています。

シュエヒンター地区に住む子どもたちに読み書きができる機会を提供したい、という初代校長から続く強い思いにより学校運営がなされています。

2013年に新しく建設された校舎がありますが、中学生の教室として使われおり、それ以外の校舎は15~20年前に建設されたもので、小学生は全学年が古い校舎で授業を受けています。古い校舎は何度か修復を行いましたが、板張りの床が部分的に剥がれていて、壊れた柵は寄り掛かれば怪我をする危険があります。
簡易屋根を設置しただけの地面に机・椅子を置いて授業をしていることもあり、安心して授業を受けられる環境ではありません。
特に雨季には、雨・風により授業を中断せざるを得ず、時には傘を差して授業をしなければならないこともあります。
運営資金は12名の地元住民で構成される学校運営委員会によって集められていますが、本校は多くの生徒を抱えているため、校舎の修理や再建に使うための資金はなく、生徒は古い校舎で勉強せざるを得ない状況です。

校舎建設

2015年8月12日に建設会社であるMoeKyawConstructionGroupとの覚書を交わし、8月22日より工事開始前の土地の清掃を行いました。
土壌整備は学校および学校建設委員会が工事開始前に行いました。
MoeKyawConstructionGroupは昨年の建設事業の対象となったミャテンギ尼僧学校の建設を請け負った業者であり、質・関係性ともに我々としても大きな信頼を置いています。

建物は1階建ての6教室で、8月下旬に着工され、その後は雨の影響などを受けつつも、基礎工事から外壁工事まで順調に進み、10月以降は屋根の取りつけ、内壁の塗装、電気設置工事、机・椅子の作製等、一つ一つ丁寧に工程が進んでいきました。壁の色は校長の希望により、外壁はクリーム色、内壁は薄い緑色になりました。
黒板は可動式のものではなく、壁に埋め込まれるタイプのものを校長が希望され、教室入口から正面に設置しました。
また芳名プレートに関しても校長の強い要望により、ミャンマーの伝統的な石盤を削り文字を入れたものを作成し、校舎の外壁に取り付けられました。机イスはミャンマーの学校で一般的に使用されている木製のものを作製しました。
外壁の細かいデザインまで校長が一つ一つ建設会社と確認・協議し決めていきました。工事は12月中旬に完了し、その後、机イスなどの設置が行われました。

週に2~3回のエンジニアによるモニタリングだけでなく、校長を中心とした学校建設委員会によるモニタリングの中、工事が行われました。また、スタッフがモニタリングに行った際には、校長・建設会社、協力スタッフで進捗を確認し、変更点や校長の希望等、細かく話し合いを行ってまいりました。

校舎は小学校一年生から五年生までの5教室、及び図書コーナー兼職員室として1教室の計6教室として使用する予定です。2016年度よりミャンマーの教育制度が変更し、もう一学年増える予定であることから、その後の校舎使用については引き続き学校と協議していく予定です。

教員研修

2015年10月29日から11月5日まで、ピー郡の14寺院学校の教員(計104名)が2グループに分かれ各4日間に渡って教員研修が行われました。研修内容は児童中心型教育の実践法を中心に、児童の発達段階の理解やライフスキル教育など多岐に及びました。
教案作成とそれに基づく模擬授業の実践が行われるなど、前年度と比べてより実践的な教員研修が行われました。
寺院学校では教員研修の機会が不足していることから、多くの教員から実践的な研修の実施に感謝の声が聞かれました。
カウンターパートのMyanmarLiteracyResourceCentre(ミャンマー識字リソースセンター)のファシリテーターは教員研修の経験が豊富であり、現在の教育政策に沿った教員研修に熟知していたことから効果的で妥当性の高い教員研修を行うことができました。
参加した教員からは、「今年度は実践的な内容が多く含まれ、身近にあるものを教材として使う方法など、今後教える中ですぐに使えることを学んだ」といった前向きな感想が多くありました。

施設維持管理ワークショップ

2016年1月8日、建設会社技術者の協力の下、施設維持管理ワークショップを開催しました。
ミャレイヨン寺院学校の教員10名と校長先生は、校舎の維持管理方法を学び、日々の維持管理スケジュールを作成しました。
また小学校全生徒および中学生の生徒一部が手洗い、トイレの使用・清掃、教室の使用について学び、新校舎の使用に先立ち、子どもたち自身が快適な学習環境を作り上げていく意識を持ちました。

 

児童、教員、住民の声

タズィン・ティリ・フニンさん(左)ワナ・キョウ君(右)3年生8歳

前の校舎で勉強していたときは、壁がなかったので雨が入ってくるし、他の学年の声もうるさかったので、授業に集中できませんでした。床もところどころ破損していたので危なかったです。新校舎ではそういった心配なく、勉強できるので幸せです。たくさん書いて一生懸命勉強したいと思っています。図書コーナーでは詩や絵本を読んでたくさんの知識を身につけたいです。ご支援者の皆さまありがとうございました。皆さまが幸せで健康で過ごせますようにお祈りしています。

エイン・イン・ピョーさん8歳(左)ピャエ・ピョー・アウン君9歳(右)4年生

旧校舎では雨が入ってきて教科書は濡れてしまいましたし、床の穴にはまって怪我をしてしまう子がいて、とても勉強できる環境ではありませんでした。
新校舎では雨・安全性の心配はありません。学年ごと教室が分かれているので、授業にも集中して取り組めると思います。新校舎で勉強できることはとっても幸せなことだと思います。ご支援者の皆さま、ご支援を決めてくださりありがとうございました。ここで一生懸命勉強に打ち込みます。皆さまにお会いしたいので是非ミャレイヨン寺院学校に来てください。

トゥザナ氏校長

1995年の本校開校時は、屋根だけの建物を使って授業が行われていました。先代の校長の時代から徐々に校舎を増やす努力はしてきておりましたが、増え続ける生徒数に合った十分な学習環境を整えることはできませんでした。
この度、皆さまから新校舎を建設いただき、教員・教師共に幸せに満ち溢れています。生徒たちの学習、さらに人生も良い方向に向かっていくと思います。
また図書コーナーの設置は先代の校長の願いでもありました。よりよい学習のためには授業だけでは十分でなく、読書は重要だと思っております。
まずは読書タイムを設け、読書習慣を根付かせたいと思っております。まさかこんなに立派な新校舎をいただけるとは夢にも思っておりませんでした。ご支援者の皆さまには感謝の気持ちでいっぱいです。

キン・タンダー氏教員(4年生担当)

旧校舎では学年ごとの授業を分ける壁がなく、生徒・教師共々集中して授業に臨めていなかったように感じます。
そういった環境での私たち教師は怒ってしまうことが多く、生徒は私たちを怖がっていました。新校舎は周りのクラスの騒音を気にすることなく快適に授業ができます。教師と生徒の関係も改善すると思います。長きにわたって校舎を使い続けるためにも維持・管理をしっかり行と行っていきたいと思います。1月に行った維持管理研修で、建設エンジニアの方から維持・管理法に関するアドバイスをいただいたので、私たち教師が率先して維持・管理を行なっていきます。ご支援者さま、新校舎をご支援してくださり大変感謝しております。ありがとうございました。

テイ・ライン氏学校運営委員会委員

私の家族がミャレイヨン寺院学校にお世話になっていたので、学校運営委員会のメンバーとなりました。古い校舎では雨季には濡れてしまい、冬季には寒くとても快適な環境とは言えませんでした。そのような状況は知りながらも、地域として支援することは難しくありました。新校舎ができあがった今、幸せな気持ちでいっぱいです。

ご支援者の皆さまには心の底から感謝いたします。親や子どもたちも感謝しております。今後も校長先生の要請に応じて学校のサポートをしていきます。

校舎正面

校舎全景

校舎側面

教室内観

芳名プレート

廊下

図書コーナー

竣工式

トイレ清掃、手洗い研修

トイレ清掃、手洗い研修


所在地