コキ小学校は、衛星校で、今年度(2009-2010)は1年生から3年生までのクラスが運営されています。またこの小学校は2008年に設立された学校です。この地域は孤立した遠隔地で、学校もなく、大半の住民が生活をするために新たに越して来た人たちです。
カンボジアでは、2010年は4月13日から15日までクメール正月を迎え、全国の小学校は1学期が終わりました。コキ小学校では4月5日から21日まで正月休みとなりました。
この地域に住む人たちのほとんどが、クーイと呼ばれるカンボジアの少数民族です。クーイは数百人程度の少数民族で、居住村は散在しています。彼らは、森の中で暮らし、雨季の時期の稲作で生計を立てています。低地での米作りであるため、収穫高はあまり多くありません。ほとんどの人が副業として、雨季が終わり、米作りが終わると、家の敷地内で野菜やサツマイモ、カシューの木を育て、家計を助けています。その他にも、森で薪を拾い、燃料として売る人もいます。
コキ小学校には以下の通り、3つの村から学齢期児童が通学しています。
– スノー村:100%の児童が通っています。
この村には、36世帯179名(内女性78名)が住んでいます。
– トロック・ネイ村:100%の児童が通っています。
この村には26世帯129名(内女性56名)が住んでいます。
– プム・オー村:100%の児童が通っています。
この村には13世帯56名(内女性26名)が住んでいます。
今回の建設事業にあたり、変更点は以下の通りです。
教室備品でホワイトボードを備え付ける予定でしたが、黒板に変更しました。
この学校は全体的に年間予算が不足しており、ホワイトボードに使用するマーカーペンを購入し続けるのが困難になると判断したためです。
2010年3月1日、予定通りに建設に着工しました。この度の建設にあたって、契約会社は建設作業員7名と現場監督1名を充てています。
着工から35日が経った2010年4月5日の訪問時には、作業員たちは校舎とトイレの建設に従事していました。建設は順調に進んでおり、この時点で建設作業全工程の38%が終了しています。当会スタッフは週に1~2度の頻度で定期的に建設現場を訪問し、図面通りに建設作業が行われているのかモニタリングしています。建設工事は適切に行われており、このまま順調に進み、天候不良など外部要因がない場合は、覚書完成期日より早く完成する見込みです。
完了した作業(2010.4.5現在)
・ 基礎部分の支柱と梁を埋める穴の掘削と、壁の下準備。
・ 基礎部分の支柱と梁をコンクリートで固める作業。
・ 壁にレンガを積み、ドア、窓枠、換気口を取り付ける
・ 盛り土作業(コミュニティが建設会社に土を用意する)
盛り土作業はクメール正月明けの4月末に終了する予定です。
(※「9.3住民参加」をご参照下さい。)
トイレは校舎の後ろ、西側に位置します。2010年4月5日の訪問時には、基礎工事が進められていました。
2010年4月5日現在、全作業員が校舎およびトイレ建設に従事しているため、まだ貯水タンクの建設には着手していません。校舎およびトイレの建設が終了してから取り掛かる予定です。(建設現場監督の報告)
新校舎の建設にあたって、住民たちは以下の活動に参加することに同意しました。
・ 新校舎3教室、トイレ、貯水タンクを建設するのに適切で、十分な大きさのある土地を提供すること。
・ 建設期間中、建設会社に対して施設と安全を保障する。
・ 新校舎の基礎部分の土盛りに参加する。(※)
・ 新校舎の開校式を運営する。
(※)盛り土作業はクメール正月が明けてから再開される予定です。校舎の土台部分などに土を運び入れます。
「私たちの学校を支えて下さってありがとうございます。私は新しく学校が建っていく様子を見てとても嬉しい気持ちになります。私も友達も新しい教室で勉強できる日を楽しみにしています。
私は14歳ですが小学3年生のクラスで勉強しています。この学校ができたのは2年前で、それに私の家は貧しくて、遠くにある学校にいく余裕も機会もなかったからです。
私は6人兄弟(女3、男3)で上から2番目です。兄弟のうち3人がこの学校の1、2、3年生にそれぞれ通っています。私の両親は米農家で、お米作りがない時期は出稼ぎをして私たち家族を養ってくれています。今はクメール正月休みで学校がお休みなので、両親の手伝いを一所懸命しています。水汲み、料理、皿洗い、幼い弟の世話が私の仕事です。両親は米作りの季節なのでその準備をしています。
私は勉強が大好きで、特に国語(クメール語)は分かりやすいので好きな科目です。将来は小学校の先生になりたいです。
最後に、もう一度日本の皆さんにありがとうを言いたいです。皆さんが元気でいますように。」
「僕の通うこの学校を支えてくださる皆さんに感謝します。ありがとうございます。
僕の家はスノー村にあって、学校からは0.5kmくらいなので歩いて通っています。僕は新しい学校が建っていく様子をいつも興味深く見ています。僕は通学時に工事の様子を見ることができ、建設の進み具合がわかります。僕は6人兄弟(男2、女4)で、上から3番目です。兄弟のうち、上から4番目まではこの学校の1、2、3年生にそれぞれ通っています。僕は授業がない時間には両親の仕事の手伝いをしています。水汲み、薪拾い、牛の世話が僕の仕事です。
僕は勉強が楽しいです。特に好きな科目は算数と国語(クメール語)です、僕は大人になったら警察官になりたいと思っています。日本にいる皆さん、ありがとうございます。」
「息子たちの通うこの小学校をご支援下さり、本当にありがとうございます。新しい校舎が完成してすべての子どもたちが安心して通えるようになる日を心待ちにしております。
私は夫と一緒に米作りをして家族で暮らしています。米作りの時期が終わると、副収入を得るためにこの地域のなかでいくつか仕事をします。このようにしてなんとか子どもたちを育てています。
ご支援下さった全ての皆様に感謝を申し上げると共に、皆様のご健康をお祈り申し上げます。」
コキ小学校